【種類別】プラセンタ注射剤の特徴とリスク
種類別にみるプラセンタ注射剤
美容注射に用いられているプラセンタ注射剤は、ヒト由来のもの。その中でも、厚生労働省に認証されている注射剤をピックアップして紹介します。
ラエンネック
引用元:株式会社日本生物製剤公式サイト
(http://jbp.placenta.co.jp/medical_products/79/)
肝機能障害の治療薬として開発されたプラセンタで、ヒト胎盤由来成分を1アンプル(2ml)中120mg含有しています。低下した肝機能に対し、肝細胞増殖因子が活発化し、肝細胞の数が増えることによって肝機能の回復効果を目指します。
肝炎や肝臓の治療を目的として用いられ「肝機能障害治療のみ」保険適用になっています。
ラエンネックの安全性
厚生労働省で認可されている医薬品。酸による加水分解滅菌や高温蒸気滅菌、肝炎やエイズなど、各種ウイルスの感染症対策を実施しています。
薬効再評価時に実施した臨床試験では、273例中、副作用があらわれた(疑われた)のはわずか10例でした。
ラエンネックの効果
承認されている効果は「慢性肝疾患における肝機能の改善」。
美容目的としては、美白・美肌、肌のハリや潤い、しわ・たるみなどの改善、アトピーやニキビの改善に用いられる場面が多いですが、まだ薬効としては認められていません。
投薬方法
成人の場合、1日に1回2ml(1アンプル)を皮下注射または筋肉注射で投与します。症状によっては1日に2~3回注射することも可能です。
繰り返し注射する場合には、同一部位を避け、左右交互に注射するのが望ましいとされています。
メルスモン
1アンプル(2ml)中、ヒト胎盤由来である胎盤絨毛分解物の水溶性物質100mgを配合。添加物としてベンジンアルコールを0.03ml含みます。
更年期障害や乳汁分泌不全の治療薬として開発されたプラセンタで、更年期障害や乳汁分泌不全において保険適応となります。
メルスモンの安全性
厚生労働省により認可。101度以上、1時間の塩酸加熱処理と、121度60分間の高圧蒸気滅菌処理が施されています。
ラエンネック同様、血清学的検査によってウイルス・細菌の感染症等をスクリーニングし、核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した国内のヒト胎盤が使われています。
メルスモンの効果
承認されている効果は「更年期障害、乳汁分泌不全」。更年期障害の症状であるほてり、のぼせ、発汗、イライラ、めまい、不眠、憂鬱感などの改善や、授乳期の乳汁分泌の促進です。
ラエンネックと同じく、肌のハリ、潤い、美白、美肌、しわ、たるみなどの改善などの美容効果は、まだ承認されていません。そのため美容目的の使用では、保険適用外となります。
投薬方法
1日1回2mlを毎日、または隔日に皮下注射。メルスモンは皮下注射のみ可能です。
プラセンタのデメリットは?
プラセンタにアレルギーってあるの?
これまでご紹介した「ラエンネック」「メルスモン」は、ヒト由来のプラセンタです。
ヒト組織由来のたんぱく質やアミノ酸が含まれているので、アレルギー体質の人が使用すると、喘息などのアレルギー症状が悪化することや、ショック症状を起こす可能性があるのでご注意ください。
ラエンネック・メルスモンの副作用報告
- ラエンネック
注射部位の疼痛が2.56%、発疹は発熱などの過敏症が0.37%、注射部位の硬結が0.37%という副作用の報告があります。 - メルスモン
注射部位の発赤疼痛が7.1%、悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹などの症状が0.1~5%の人にあらわれているといわれています。
こうした悪寒や悪心、発熱、発赤、発疹などの症状は、ほとんどの場合、数日で治まるようですが、長引くようであれば、クリニックへの受診をおすすめします。
プラセンタで献血できなくなる?
プラセンタを投与すると、その後一生献血が出来なくなると言われています。それはただの噂ではなく、日本赤十字社のHPにも記載された真実です。なぜプラセンタを投与して献血ができなくなるのか、理由を詳しく解説します。
プラセンタ注射の種類や費用、副作用の可能性など、クリニックに行く前にもっとプラセンタ注射について知りたい人はこちらをご覧ください。
プラセンタ注射を受けられる全国のクリニック
全国のプラセンタ注射を受けられるクリニックを調査しました。東京都内15エリアのほか、各都道府県別にまとめてあります。クリニックを調べたい方はぜひご覧ください!